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【上海余話】誠意への応え方

2012/05/14 03:41

 

  ミャンマー国境に近い雲南省龍陵という村を訪ねていた日本の知人が帰路、上海に立ち寄って怒りをぶちまけた。

 

 日本からの1千万円近い寄付で、10年ほど前に龍陵に建てられた小学校を探しにいったところ、校舎ごと地元建設会社に売り払われていたのだという。

 

 建設の由来を記したプレートは見るも無残に破壊され、貧困な村にも教育を、と願った日本人の誠意は踏みにじられた。

 

 知人の証拠画像を見ながら、怒りと悲しみで飲み過ぎてしまった翌日、上海支局に電話がかかってきた。

 

 「明美ちゃん基金への寄付を受け取ってくれますか」。

 明るい声の持ち主は山西省孝義生まれで、今は浙江省寧波で働いている杜艶琴(と・えんきん)さん(29)だった。

 心臓病の子供を救おうと産経新聞が提唱した基金の適用で杜さんは11年前、大阪で心臓病手術を受けた。

 元気になって帰国し、日本語を猛勉強。4年前に寧波で日系企業に就職した。杜さんは「同じ山西省出身の男性と先月結婚して幸せな気持ち。今こそ心臓病の子供を少しでも助けてあげたいと寄付を決めました」と話してくれた。

 送ってくれた800元(約1万100円)は杜さんにとって大金だ。電話で話を聞きながら不覚にも涙が出た。

 雲南省龍陵の心ない面々に彼女の声を聞かせてやれないか。

 

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【中国社会】香港が本土からの「越境出産」お断り!

2012/04/27 23:01

 

  香港政府が中国本土の妊婦による「越境出産」受け入れを来年からゼロにする新たな政策を決めた。

 

 香港で出生した子供は、高い教育水準や福祉制度がある香港の永住権を取得できるため、富裕層を中心に中国本土から妊婦が殺到。そのあおりで出産費用が高騰したり地元妊婦が産科の空きベッド待ちを強いられたりするなど、香港で社会問題化していた。

 

 不法滞在している中国人妊婦が救急外来に駆け込むケースも少なくなく、香港では年内の駆け込み越境出産の急増が警戒されている。

 

 中国紙、東方早報によると、香港の食品・衛生局が決めた越境妊婦受け入れのゼロ化は、両親ともに永住権のないケースが対象。父母のどちらかが永住権を持つ場合は出産を認める。

 

 7月1日付で香港政府トップの行政長官に就任する梁振英氏が3月の長官選当選後に、今年は3万1千件の越境出産を認めていた香港の私立病院の受け入れ枠を来年からゼロにすると表明。これを受けた食品・衛生局が公立病院も含め受け入れない方針を決めた。

 

 1997年の中国返還後も、香港は中国本土からの移住を制限している。だが香港で出生すれば永住権を与えるとの香港の制度が抜け穴になった。このため、2001年には約600件だった中国本土からの越境出産が、ここ数年で激増。昨年は約3万6千件と、香港の出生数全体の約40%を占めた。

 

 越境妊婦は中国本土の富裕層が多く、その大半は私立病院が収益増を狙って受け入れてきた。だが「香港と無縁の中国本土の夫婦がカネを積んで永住権を得た子供が、香港の市民と同じ公共サービスを受けられるのはおかしい」などと不満が広がり、過去には香港で抗議デモも起きている。

 

 香港で今月行われた世論調査で、「中国本土からの妊婦受け入れゼロ」に82%が賛成と回答している。

 

 一方で、香港の最高裁に当たる終審法院は01年、両親とも永住権を持たなくとも、香港で生まれれば永住権取得の権利があるとの判断を下しており、今回の決定と矛盾する。

 

 梁氏は「香港基本法」の解釈権を持つ中国政府に判断を求める可能性も示唆しているが、香港の司法の独立性を損なうとの批判もあり、「一国二制度」のありかたをめぐって、中国政府を巻き込んだ政治問題に発展する可能性もある。

 

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【中国経済】人民銀行が描く人民元「国際化」10年のシナリオ

2012/04/16 00:52

 

  中国が通貨「人民元」の国際化を加速している。世界が中国経済への依存度を急速に高める中で、人民元をテコに国際社会への「発言力」を一段と強める狙いがある。日本を追い抜いて世界第2位の経済大国になったにもかかわらず、人民元はまだ中国のローカル通貨の地位に甘んじている。ドルやユーロ、日本円など国際兌換(だかん)通貨の「ハードカレンシー」を将来的な到達目標に、中国人民銀行(中央銀行)では、障壁となっている資本取引への規制を取り除く10年間のシナリオを描いている。

 ■10年で改革のシナリオ

 海南省博鰲(ボアオ)で4月初めに開かれた「博鰲アジアフォーラム」で、人民銀行の周小川(しゅうしょうせん)総裁(64)は「資本流動性を高めることで海外への人民元投資を奨励する」と述べ、規制してきた国境をまたぐ金融商品や不動産への投資など貿易決済以外の資本取引について、今後は中国国内から海外に向けても本格的に規制緩和する意向を示した。

 周総裁が公の場で本格的な資本取引規制の緩和で踏み込んだ発言を行ったのは初めてだ。

 中国が国内外でマネーが出入りする資本取引を規制してきたのは、為替変動や資産バブルのリスクが増えるとの判断や、国内資金の海外流出懸念などがあったからだ。だが、最近は少しずつ規制を緩和。昨年10月に日本企業などの外資による中国の現地法人との間の人民元建て資金の融通などが可能になったほか、温家宝(おんかほう)首相(69)ら改革推進派も中国から海外への人民元資金の投資など資本取引の自由化に向けた動きを見せ始めていた。

 こうした一連の動きは、人民銀行が描いたシナリオが下敷きになっているようだ。国際金融筋によると、人民銀行調査統計局は「人民元の資本取引開放条件は基本的に熟した」とする報告書をまとめ、10年間で改革を進めるよう提言した。資本取引で中国当局が具体的なスケジュールを示したのは初めてだ。

 ■保守的通貨政策を打破

 報告書によるシナリオでは(1)直接投資規制を緩め、中国企業の海外進出を奨励する(2)人民元の融資規制を緩め、国際化を促す(3)金融市場の整備を急ぎ、不動産や株式、債券などの取引規制を緩める-との3段階による開放を提案。その期間としてそれぞれ3年前後、トータルで10年間の実施を見込んでいる。

 さらに、「資本取引が開放されれば、人民元の流出入の道が広がり、貿易や投資で人民元の国際的地位が向上する」と強調した。経済規模の急拡大に追いついていない中国国内の経済構造の改革や、産業の高度化にも結びつけ、投資先の多様化を通じて経済格差の縮小を急ぐ。

 報告書では、資本取引開放が為替変動や資産バブルのリスクをもたらすとの懸念も表明。しかし、「慎重に開放を進めていくべきではあるが、積極的に推進しなければならない」とリスクを乗り越える覚悟も示している。「金利や為替の自由化や人民元国際化の条件が完全に満たされるのを待っていても、ふさわしい時期は永遠に訪れないだろう」と呼びかけ、保守的な通貨政策の打破を求めている。

 ■ドルと基軸通貨争い?

 人民元をめぐっては、為替レートが安すぎるとして米国が切り上げや為替市場の自由化も迫っている。人民元の為替問題では人民銀行の前総裁で全国社会保障基金理事会の戴相竜(たいそうりゅう)理事長(67)も「博鰲アジアフォーラム」の席で、現在は1日当たり上下に0.5%以内に制限されている対ドルレート変動幅が「近く広がる」と明かして、対米譲歩を徐々に進める意向も示した。

 その“予告”どおり、人民銀行は14日、対ドル為替市場で1日あたりの変動幅を16日から上下1%ずつ拡大すると発表しており、前総裁である戴氏も金融通貨政策に相当度、関与していることをうかがわせた。

 また、戴氏は「アジア地域の貿易決済通貨で人民元の比率は現在の10%から数年内に30%に増え、世界各国の準備通貨の10%は人民元建てになる」と予測し、人民元の国際的な存在感の高まりに強い自信をみせた。

 人民元の今後について、フォーラムに出席した大和総研の武藤敏郎理事長(68)は、「国際化の方向は間違いないが、米ドルなどと『基軸通貨』を争うものではない。ドルに対し国際的な補完機能を果たす必要がある。人民元(建ての資金)を運用する金融市場の育成も条件になる」と述べた。中国経済に期待感を抱く国際社会だが、人民元の急速な影響力の高まりや、国際通貨としての主導権争いに関しては警戒感も見え隠れしている。

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【がんばれ!ニッポン】世界初!上海で日本人学校3000人突破

2012/04/10 13:27

 

 上海市内に設置されている2校の日本人学校の在籍者数が、4月の新学期に小学部から高等部まで合わせて3244人となる。

 日本国内と同等の教育課程として文部科学省が認定している海外の日本人学校は現在88校を数えるが、在籍者が1都市で3千人を突破するのは上海が初めてだ。

 海外の日本人学校では、シンガポールや香港、タイのバンコクなども千数百人から2千人前後と規模が大きい。その中でも上海は昨年4月で2730人。バンコクの2555人よりも175人多かった。さらにこの4月、新入生数が帰国生数を514人上回る。まさに世界最大の日本人学校だ。

 日本人学校として昨年4月、世界で初めて上海に高等部が開校したこともあるが、特に小学部で346人も増えるのが大きい。

世界最大の在留邦人数

 少子化で児童生徒数を集めるのに苦しむ日本国内の学校とは対照的。家族帯同で上海に赴任してくる若手の日本人ビジネスマンの急増を裏付ける数字といえる。

 上海の日本総領事館の調べによると、管内の長期滞在の在留邦人者数はおよそ5万6千人。この10年間で約8倍の伸びといい、2007年10月には4万7千人を突破して、当時4万人強だった米ニューヨークを抜いて、最大の邦人在留都市になった。出張者や旅行者も含む瞬間風速的な邦人数は10万人を超えるとみられている。

 日本企業にとっては、好むと好まざるとにかかわらず、世界第2位の経済大国になった中国との関係拡大は喫緊の課題。中国最大の経済都市である上海を中心に広がる長江(揚子江)の河口デルタ地帯には、大小合わせて1万数千社の日本企業がひしめいている。

 もっとも、昨年3月11日の東日本大震災が日本の消費市場を冷え込ませ、数多くの中小企業が生き残りをかけて中国市場に打って出たという皮肉な事情もある。

 一方、その最大の邦人在留都市を教育面で支える日本人学校の台所事情は実のところ苦しい。

プレハブ校舎も検討へ

 小中高まで上海日本人学校全体の運営委員長を務める小暮剛一氏は、「児童生徒数の急増は今後も続くとみているが、来年には校舎もパンク状態。プレハブ校舎の設置を検討しなければならない」と話して、額の汗をぬぐった。

 補習校時代を経て1987年に開校した上海日本人学校。96年に空港に近い虹橋地区に建設した新校舎に移転した。2003年には在籍者数が1千人を超え、2年後の05年には2千人を突破。06年には2405人となり、国際金融センターに近い浦東地区に2校目を開校する急拡大ぶりだった。

 こうした校舎建設費用は日本政府が半額を負担したが、残りは日系企業で作る上海日本商工クラブからの支援や授業料でまかなう以外にない。さらなる校舎建設には資金面に加え、不動産価格の高騰や上海市当局による外国人学校への規制もカベになっている。

 昨年4月から浦東校で教室を間借りしていた高等部の生徒は、9日に入学式を迎える新学期から浦東校に隣接する高層住宅の商業スペースを改築した7教室で勉強を始める。ただ、校庭などは小中高共用。窮屈さは変わらない。

 しかも、日本人学校への政府の補助は義務教育の中学校までに限られる。高等部は火の車だ。

国家的教育戦略見えず

 世界最大の日本人学校が抱える苦悩は校舎だけではない。児童生徒が増えれば、それに見合うよう教員数も増やす必要がある。

 上海では小中合わせて約140人の教員がいるが、小暮氏によると文科省が日本国内の公立校から選抜し、人件費なども含めて海外に派遣する人数は全体の約60%。不足する40%の教員は日本人学校が独自に採用し、費用を負担して現地に赴任してもらう制度だ。ちなみに高等部は全教員を独自採用に頼らざるを得ない。

 ただ、今年は上海で在籍者数の大幅増にもかかわらず、「文科省派遣の教員はむしろ2人減となった」(小暮氏)。予算の減少で世界88校すべての日本人学校に対する資金の支援が削られる中で、上海だけ特別扱いにするわけにはいかないと説明されたという。

 その決定を覆すのは難しいだろうが、小暮氏は、「今こそ日本人学校を充実させることで、日本の国際教育のありかたを考えるべきではないか」と訴えている。

 日本企業の海外展開が進めば進むほど、現地校やインターナショナル校も含め、海外で学ぶ日本人の子供たちも増える。とりわけ中国の変化スピードは予想がつかない。派遣教員の一律削減など硬直的ともいえる措置からは、国際経験豊かな子供たちを海外でどう育てるか、という長期的な視点や国家戦略は何も見えてこない。

 

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【中台両岸特派員】日本人を母に持つ上海租界時代の抗日美女スパイ

2012/03/31 01:00

 

 戦時下の上海で抗日スパイとなった鄭蘋如(右)と日本人の母親、木村花子(中国鄭華君)。母親は戦後、台湾に渡った

 

 

 日中戦争が勃発した1937(昭和12)年から上海の租界を舞台に抗日スパイとして任務につき、40年に25歳の若さで処刑された女性、鄭蘋如(てい・ひんにょ)が中国で改めて注目を集めている。日本への留学経験がある中国人を父に、日本人を母にもつ蘋如。戦後長らく「漢奸(かんかん)(裏切り者)」の烙印(らくいん)を押されてきたが、蘋如をモデルにした米中合作映画や中国のテレビドラマがヒット。今では「愛国者」と称(たた)えられ、上海郊外に銅像まで建てられた。

 スパイとして蘋如の存在が広く知られるようになったのは、1940年1月に地元紙が報じた「丁黙邨(てい・もくそん)暗殺未遂事件」からだ。

 中国の主権の及ばないフランス租界や米英の共同租界、さらに日本人居留地が広がった当時の上海は、いわばスパイ天国だった。

 蘋如の父親は、重慶に移って抗日姿勢を強めていた蒋介石国民政権の高官、鄭鉞(えつ)。スパイとしての彼女の任務は、38年1月に「爾後(じご)、国民政府(蒋政権)を対手とせず」と表明した第1次近衛文麿内閣と結びつく親日派、汪兆銘(おう・ちょうめい)の勢力切り崩しとなった。

 日本軍内部に人脈を築いていた蘋如は、汪の勢力を支える特務組織、通称ジェスフィールド76号のトップ丁黙邨と親密な関係に。

 39年12月24日。プレゼントをせがんだ蘋如は丁と共同租界の静安寺路(現南京西路)のシベリア毛皮店に入った。そこまでは丁暗殺のシナリオ通りだった。

 だが、店から出る瞬間の丁に照準を合わせていたはずの国民政府の特務、いわゆるCC団が放った刺客が狙撃に失敗。丁は車で逃げ去り、蘋如が自分の命を狙うスパイだったと知る。

 逡巡した蘋如は翌40年1月に日本の上海憲兵隊に自首。懇意にしていた藤野鸞丈(らんじょう)少佐に「家族への報復が怖い…」と心情を明かしたという。蘋如の身柄は丁の組織に引き渡され、裁判らしい裁判もないままに2月中旬、上海郊外で銃殺。その過程で地元紙にリークされ、スキャンダルとして広がった。

 蘋如は東京生まれだ。鄭鉞が法政大に留学中、木村花子と結婚、14年に次女として出生した。2年後には一家そろって上海に渡ったが、蘋如は花子(中国名を鄭華君と名乗った)が教えた日本語を流暢(りゅうちょう)に話した。

 そんな彼女が、上海で暗殺計画に加担する存在にまでなったのはなぜなのか。

 蘋如は当時の女性としては珍しく大学教育を受けていた。美貌も評判で37年に雑誌の表紙を飾る。このことが、CC団が蘋如に目を留めるきっかけになった。

 ただ、上海史に詳しい東華大学(上海)の片山泰郎客員教授は「蘋如はCC団のスパイ教育は受けていない。(スパイというよりも)母親の祖国である日本に、中国大陸から手を引いてほしいという強い義憤を感じての行動だった」と考えている。

 蘋如は17歳だった32年に勃発した第1次上海事変ですでに、仲間と抗日ビラを街頭で配るなど抗日活動に身を投じていた。母が日本人というだけで迫害を受けていた蘋如は逆に、抗日の意思を誰よりも強く示すことで、中国人として生きる自分を確認したのだろう。

 美貌を武器にする術をどう身につけたのか。丁を落とす前には、日本が設置した東亜同文書院に赴任してきた近衛文隆(文麿の長男)にも接近して、恋愛関係にあったとされる。

 CC団のスパイとなって水面下での抗日工作を始めた蘋如だが、日本側はその背後関係に気づいていた節もある。「蘋如は純粋に国を愛した女性だが、実は日中双方に利用された」(片山氏)のかもしれない。

 49年に中国共産党が成立させた新中国の立場からみれば、内戦に敗れて台湾に逃れた国民政府は敵対勢力であり、そのスパイは中国への反逆者でもあった。

 蘋如をめぐる史実を追った「一個女間諜」(2009年、上海辞書出版社)などの著書がある許洪新氏によると、蘋如が「烈士」として改めて評価されるようになったのは、05年9月の胡錦濤国家主席による抗日戦勝利60周年の演説から。

 この年の4月、台湾の野党だった中国国民党連戦主席(当時)が1949年の中台分断後、初めて中国大陸に足を踏み入れ、胡錦濤氏が共産党総書記の肩書で「国共トップ」会談を北京で行ったことが伏線となっている。

 抗日が歴史的な共通キーワードとなる国民党と共産党の合作(協力)には、蘋如のような存在を烈士として浮かび上がらせることは好都合だった。

 台湾独立を党綱領に掲げた民主進歩党が台湾の政権党だった2005年、新たな「国共合作」の包囲網ができ、蘋如は情報戦略の駒のひとつに使われた。

 蘋如をモデルにした小説が07年に「ラスト、コーション(中国語タイトル「色、戒」)」として映画化され、さらに昨年は中国で「旗袍」との題名でテレビドラマ化。今年も新たに制作されるテレビドラマで登場する見通しだ。

 日本人を母にもつ美貌の抗日スパイという特異な存在。漢奸ではなく愛国者とのお墨付きさえあれば、中国の大衆も堂々と飛びつく。09年には、蘋如を称えた像も上海郊外の霊園「上海福寿園」に建立された。

 中国と日本の間で揺れ動いた女スパイ、蘋如は亡くなって72年を経てもなお利用され続けている。

 汪兆銘 おう・ちょうめい

 1883~1944年。号は精衛。広東省生まれ。日本の法政大に官費留学。孫文の思想に共鳴し中国国民党の指導層に加わるが、蒋介石と袂(たもと)を分かち、1937年の日中戦争勃発時には対日妥協を唱えた。40年、日本の後押しを受け、南京に国民政府を樹立し主席に就任。日本の傀儡(かいらい)として、蒋介石の重慶政府に攻撃された。名古屋で病死した。

 

 

 

 

 

 

 

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【中国政治】共産党の傀儡!香港長官選挙で抗議デモ

2012/03/26 02:01

 

 

 

25日に香港行政長官選の開票が行われた国際会議場に向かって民主的な普通選挙への即時移行を求めて抗議しながら歩くデモ参加者ら。選挙委員会による限られた範囲の選挙を打倒せよと叫んだ

 

 

 25日に行われた香港行政長官選挙に対し、親中派に有利となっている同選挙制度と中国政府の選挙に対する干渉に抗議する民主派の市民、学生らによるデモが行われた。

 関係者によると約70団体から数千人が参加した。中国政府は2017年の次回選挙から直接選挙の導入も検討しているが、デモ隊は民主的な選挙への即時移行を要求した。香港では対中感情が急速に悪化しており、次期長官となる親中派の梁振英氏は手腕が問われそうだ。

 25日午後、梁氏の当選が伝わると、開票が行われた香港島の国際会議場を取り囲んでいたデモ隊は、「ウォー」と叫びながら会議場になだれ込もうとして、警官隊に押し戻される場面もあった。デモに参加していた女子大学生は、「梁振英氏の香港政府は中国共産党の傀儡だ」と叫んだ。

 親中派の団体から選ばれる選挙委員による選挙では、「香港市民の意思は何ら反映されておらず『一国二制度』や港人治港(香港人による香港統治)原則にも反している」として、デモ参加者は不満を爆発させた。

 25日付の香港紙、明報によると、世論調査機関の香港大学民意研究計画が24日までに行った香港市民が対象の模擬公選で、投票した22万2990人のうち54・6%が「白票」を投じた。「現行の長官選挙制度そのものへの抗議票」(同紙)が過半数を得たという意味だ。

 香港は中国返還から今年で15年。中国本土の観光客のマナー問題や北京大学教授の香港人蔑視発言など感情論に加え、「高速鉄道の追突事故や広東省烏坎村の土地収用をめぐる騒動など、中国当局への不信感が強まっている」(香港紙記者)という。

 香港大学の1月発表の調査では自分を「中国人」と認識する香港人は17%で2000年の調査開始以来、最低となった。「香港人」と名乗る人は38%、「中国の香港人」が25%だった。「共産党内部で起きた権力闘争が香港の長官選挙を左右した。これこそ香港の悲劇だ」と男子大学生は拳を振り上げた。

 

 

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【中国経済】地方政府の「錬金術」が招く債務膨張と失速

2012/03/20 11:31

 

  中国経済が地方政府の債務膨張によって失速するのではないかとの懸念が強まっている。

 

 14日に閉幕した全国人民代表大会全人代=国会に相当)で採択された「政府活動報告」の中で温家宝首相は、「地方政府の債務に対する管理とリスク対策を強化する」と強調した。
 
 国有商業銀行最大手の中国工商銀行の楊凱生頭取が、全人代開幕中の6日に北京で行った記者会見で、地方の債務は中国全土で10兆7千億元(約139兆円)と明らかにした。2008年のリーマン・ショックで中国政府が総額4兆元に上る緊急財政出動を行ったが、それに乗じた地方政府が景気対策の名の下で公共事業のみならず、第三セクターを乱立させて商業施設開発も加速。借金が膨らんだ。
 
 地方政府が農民から農地を二束三文で強制的に買い上げ、SPCなどを介して商業施設として開発権を外資企業に譲渡、地価を高騰させて巨額の利ザヤを得る「錬金術」にも似た過程は実際、汚職の温床ともなる。
 
 地方政府が資金調達のため設立した第三セクター特別目的会社SPC)などは、全土で1万社を超えるとされる。地方政府の債務保証をちらつかせて投機的な不動産の取引に手を出したり、違法に担保を設定したりするケースも少なくない。
 
 中国政府が不動産バブル崩壊への懸念から強化した金融引き締めの環境下でも、地方政府は一心同体である中国共産党の地方幹部と連係プレーで金融機関に圧力をかけた。民間に振り向けるべき限られた融資枠も取り上げ、事実上、強制的に融資させられたとの報道もあった。
 
 実は、こうした地方政府の債務は今年から次々に返済期限を迎える。返済が滞って金融機関の不良債権がかさめば、急激に金融不安に陥る恐れがある。
 
 一方で中国財政省の賈康・財政研究所長は5日、「地方政府には資産と交渉力があり、兆7千億元の累積債務は中央政府の介入なしに処理できる」との楽観的な見方を示している。
 
 その背景にあるのは、中国の金融機関が地方政府によるデフォルト(債務不履行)リスクを軽減するため、地方の債務の借り換えを進め、返済期限の延長を容認していることだ。この手口を使い続ければ債務問題はなかなか顕在化せず、中央政府は支援に乗り出す必要もない。
 
 民間の形態を取る国有金融機関に対し、巨額の追加融資や借り換えを簡単に命じることのできる共産党一党支配の〝社会主義市場経済〟がその根拠だ。
 
 地方政府の債務保証など中国でははなんら役に立たないことは、改革開放の旗手として現れた中国国際信託投資公司(CITIC)に倣った地方ごとの国際信託投資公司による2000年前後の相次ぐ経営破綻劇が示している。いわゆる「ITIC破綻」問題は重要な教訓だ。
 
 地方政府をバックにつけたノンバンクで、正式な債務保証があると誤認した日本など海外の金融機関なども多額の投資を行った。ところが1999年の広東省を皮切りに、遼寧省大連市や海南省、天津市、福建省などの国際信託投資公司が続々と経営破綻する事態となり、海外からの投資も消え去ることに。
 
 地方債務は兆7千億元と明らかにした中国工商銀行の楊頭取は、国家債務全体でみても規模が小さいと主張した。中国の累積政府債務は中央と地方を合わせて17兆5千億元で国内総生産GDP)比では43%。「日本の180%はおろか、ドイツの83%をも下回る」という。
 
 だが、中国では高級幹部がこうした自己弁護や擁護発言をすればするほど、実際には危機が迫ってきていることが多い。
 
 温首相は政府活動報告で、地方政府による違法行為を「断固として禁じる」と強調し、ずさんな実態と私利私欲に走る地方政府と、それを操る政治勢力への警戒感を露わにしている。
 
 温首相は14日の記者会見で不動産バブルについて、「地方は土地(利用権)の売却で大きな収入を得ており、金融機関や不動産会社の利益にもかかわるとして(バブル解消に向けた)改革を阻止しようとする力が大きい」と批判。金融引き締めを含め、対策を強化する考えだ。
 
 だが、温首相と胡錦濤国家主席による政権は来年3月の全人代まで。今年秋には一足早く共産党大会で胡氏は総書記の座を明け渡す。その政権末期に、いったいどこまで、地方政府の暴走を押さえ込む強硬な政策が実行できるというのだろうか・・・。
 
 

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【マジですか?】アップル提訴の中国企業が破産?

2012/03/06 01:00

 

  米アップルのタブレット型多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」の中国での商標権を主張し、アップル側を相手取って裁判を起こした広東省のIT(情報技術)企業「唯冠科技」が、破産手続きに入る見通しになったことが分かった。

 

 唯冠の債権をもつ台湾の金融機関が、同省深圳市の中級人民法院(地裁)に破産の請求を提出した。

 

 中国の華僑向け通信社の中国新聞社などが伝えた。アイパッドの商標権をめぐっては2月29日、同省高級人民法院(高裁)で初の高裁審理が始まったばかり。

 中国の破産法では、唯冠が破産手続きに入れば訴訟は中断され、裁判所が指定する破産管財人に対応が委ねられるため、アップル側と和解する可能性もある。

 ただ、破産決定前に唯冠への商標権帰属を認める2審判決が出れば、アップル側は中国でアイパッド商標が使えなくなり、巨額賠償を求められる懸念も残る。

 唯冠の破産請求を行ったのは、同社の債権者である台湾の富邦産物保険。唯冠は2年前に、深市の地裁から富邦保険に870万ドル(約7億円)を返済するよう命じられていた。

 唯冠側は商標権の裁判で得る賠償金を債務償還に充てると主張しており、当初から破産逃れと和解金を狙い、アップルを標的にしたことも考えられる。

 

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【中国政治】「世銀は毒薬」既得権益層の反逆

2012/03/05 11:30

 

 

 

ゼーリック世銀総裁が北京で行った記者会見の会場で「世銀の報告は毒薬だ」と大声で叫び会場外に退出させられた中国人男性について報じた2月29日付の中国紙、21世紀経済報道の紙面

 

 ブッシュ米政権で国務副長官を務めたロバート・ゼーリック氏。2006年1月に四川省成都で、スーツの上に白衣をまとい、大事そうに小さなパンダを抱いていた氏の写真が今も鮮明に記憶に残る。パンダを抱っこする人、「パンダハガー」がすなわち「中国びいき」を意味する俗語だと知ったとき、なるほど、とひざを打ったものだ。

 

 ゼーリック国務副長官はブッシュ政権2期目に、中国を「責任あるステークホルダー(利害共有者)」と位置づけ、ポールソン財務長官(当時)らとともに米中関係を飛躍的に変化させた経緯がある。ゼーリック氏もポールソン氏も、対中ビジネス拡大に関心が高い米金融機関大手、ゴールドマン・サックス幹部経験者との共通項がある。

 

 07年7月に世界銀行総裁に転じたゼーリック氏。08年5月には世銀の主任エコノミストとして、北京大学中国経済研究センターの林毅夫主任を招いた。林氏は台湾出身ながら中国に亡命した異色の学者。中国当局からの強い推挙を受け、このポストに中国人を初めて起用した。

 

 その「パンダハガー」のゼーリック氏が珍しく、中国の政策に厳しい注文をつける講演と会見を2月末、北京で行った。

 

 もっとも、講演は世銀と中国国務院発展研究センターが共同でまとめた報告書「チャイナ2030」に基づく内容。ゼーリック総裁は、中国は高所得国に移行する「発展の転換点」に到達したとの見方を示したが、ここで構造改革を怠れば成長が急減速し、財政や金融の危機を招く恐れがあると警告。工業化と労働コスト上昇で、国際競争力が低下し、成長力が失われる経験則の「中所得国のわな」に陥らぬよう、警鐘を鳴らした。

 

 中国政府や国有企業の役割を見直し、経済活動への国の干渉を弱め、民間をデコ入れする必要性を強調。同時に土地と労働改革、貧富の差を是正するための社会保障整備、財政の地方分権に取り組むよう提言した。

 

 だが〝ひともんちゃく〟が起きたのはゼーリック総裁の記者会見の席上だった。中国紙によると、杜建国氏という学者を名乗る男性が大声で、「銀行も国有企業も民営化できない。ウォールストリートはみなペテン師だ。世銀の報告書は毒薬だ」などと叫び、配布資料を投げつけて会場からつまみ出された。

 

 ゼーリック総裁は、「(この種の抗議は)初めてのことではない。しかし要求を行うときは討論可能な方法ですべきだ」と冷静に反応した。だが実のところ、報告書に対する特定の勢力からの〝反発〟には内心、肝を冷やしていたかもしれない。

 

 繰り返しになるが、報告書は世銀と、権威ある中国政府系シンクタンクの国務院発展研究センターの共同作成だ。これを公然と「毒薬」とまで非難するからには、何らかの〝背後〟があると考えるのが自然だろう。

 

 報告書が示した「中国最大のリスクは既得権益層が改革を妨げようとすること」との指摘が今回の問題のカギのようだ。

 

 国務院発展研究センターは胡錦濤国家主席と同主席の支持母体である共産主義青年団(共青団)を中心とする「改革派」に近い。一方で既得権益層は、共産党の高級幹部子弟による「太子党」と呼ばれる人脈と、江沢民前国家主席を頂点とした経済至上主義の「上海閥」という共通利害をもつ2勢力をさす。

 

 ゼーリック総裁は、「中国の指導者は何をすべきか分かっている。必要なのは行動だ」と講演で呼び掛けている。この先は推測の域を出ないが、名指しされた格好の「太子党」と「上海閥」が男を会見に送り込み、ゼーリック総裁と世銀への批判という手法を取り、国際世論を巻きもうとした「改革派」に対する反撃に出た可能性がある。

 

 今年秋の党大会で政権交代人事が決まる中国共産党内部の権力闘争が熾烈さを増す中で、起きた一幕。「パンダハガー」などという総花的な呼び方ではなく、ゼーリック氏は「改革派ハガー」「共青団ハガー」と呼ぶべき存在だった。今年6月に総裁を退任するゼーリック氏。世銀総裁として最後となる北京での講演と会見で、その姿勢をより明確にしてみせたようだ。

 

 

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【日中交流】柔道館2周年記念イベントが中止

2012/02/27 23:02

 

  

 名古屋市の河村たかし市長によるいわゆる「南京事件」否定発言を受け、ロサンゼルス五輪金メダリストの山下泰裕氏らを招いて、中国江蘇省の南京市で3月2日に行われる予定だった「日中友好柔道館」開館2周年の記念式典が中止されたことが分かった。

 

 日中関係筋が明らかにした。河村市長の発言が、中国での日本関連のイベントに影響したのは初めて。

 

 同筋によると、南京市当局側が日、記念式典が行われる会場周辺での安全確保に懸念を示し、柔道館など主催者側に中止を求めてきた。これを受けた山下氏らが訪中を断念。式典の中止が決まったという。
 
 この式典は山下氏や日本の学生柔道家ら約30人が南京入りし、柔道教室や山下氏の講演会などを開いて交流を図る予定だった。
 
 同館は山下氏が計画段階からかかわって、日本政府が2010年に、無償資金協力として約9万6400ドル(当時のレートで約868万円)を供与。南京市内の体育施設を改修し、完成させた。
 
 中国では日本の援助で山東省青島市にも柔道館が建設されている。
 
 いわゆる南京事件を背景に、中国では反日感情が根強く残る。上海の日本総領事館と南京市人民対外友好協会は共催で3月9日から、南京市内の大学キャンパスで「南京ジャパンウイーク」開催を予定しているが、これについて関係者は、「予定通り準備を進めている」と話している。
 
 

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